第1部 SIM TOWN【井角町】解説


1.SIM TOWN【井角町】とはどのような教材か

〜【井角町】の概要〜

 「ロールプレイング・シミュレーション」教材とは、シミュレーション(模擬体験)の中でも役割演技(ロールプレイング)に重点をおいた教材です。

 SIM TOWN【井角町】(以下、【井角町】とします)は、このロールプレイング・シミュレーション教材の一種です。【井角町】は、井角町という仮想の地域社会を設定し、学習者に町長、開発会社社長、りんご園経営者など町の関係者の役割(70人分、プロフィール集参照)を担当させます。そして、この町の開発・建設計画(シナリオ1〜5)」について、討論会の場でそれぞれ町民や関係者になりきって意見を主張させ議論をさせます。この討論会では一般的に、賛成派、反対派、中立派に分かれて議論を行いますが、学習者が、自派の主張を強化したり、相手を説得するために必要な資料やデータを探したり、あるいは、計画案の修正や代替案の提示を行い合意を図ろうとするなど、さまざまな活動が展開されます。このような活動を通して、学習者は社会的な立場や位置、役割、価値観などの相違による開発に対する<見え>や意味づけの違い、思惑、意見や態度にさまざまな違いのあることを理解します。また、学習者は問題の解決のための調査活動や対策の検討などを行う中で、問題を解決する力を身につけていきます。


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