おわりに

 「ロールプレイング・シミュレーション SIM TOWN【井角町】」は、上越教育大学大学院修士課程学校教育研究科(教科・領域専攻社会系コース)において、中台正弘氏、松井昭氏、松崎一昭氏、松本純氏との共同研究で開発した「ロールプレイング・シミュレーション【井角町】」(1990年)に改良を加え、再構成したものです。この共同研究で、私が教材構築のための理論、【井角町】のシステム設計を担当したことから、今日に至るまで、継続的にその実践的研究を行っています。

 「SIM TOWN【井角町】」(1994年版)は、シナリオが2つ、プロフィールは45人分でしたが、今回の出版に当たり、新たにシナリオを4つ加え、プロフィールを70人分に増やしました。このシナリオ及びプロフィールに関しては、私が講師として勤務した茨城県きぬ看護専門学校(1993〜1995年度)、宇都宮大学教育学部(1996〜1998年度)、東京成徳大学人文学部(1997年度)、麗澤大学国際経済学部(1998年度)、中央大学理工学部(1998年度)の学生の皆さんから寄せられたレポートをもとにして作成しました。今回はごく一部の方のものしか掲載することができませんでしたが、今後も、時代に対応させてシナリオやプロフィールを修正・追加していく予定ですので、その時に改めて皆さんのレポートを参考にし掲載することができればと思います。

 さて、【井角町】についてこのような形でまとめることができましたのも、多くの方々のご指導・ご協力があってのことです。上越教育大学において研究の初歩からご指導下さった指導教官の二谷貞夫先生、シミュレーションという手法をご教示下さった山本友和先生、並びに、現在筑波大学において長い間ご指導いただいている谷川彰英先生に心より御礼申し上げます。また、シナリオやプロフィールを一生懸命に作成して下さった学生の皆さん、【井角町】の実践に協力して下さった先生方、児童・生徒の皆さん、【井角町】の実践を行い実践報告をお寄せいただいた先生方に感謝致します。そして、本書の校正や地図の作成にご協力いただいた斉藤之誉氏(筑波大学大学院)にも感謝致します。

 【井角町】を作成してから本書の出版に漕ぎつけるまでに8年の歳月が経ちました。この歳月は、ほぼ私の研究者としての歩みの期間です。長く厳しい道のりではありましたが、しかし、これまでの人生の中で最も実り多い日々でもありました。この間、非常勤職にある私を暖かく見守り支援してくれた妻の父母(井門英明・満里子)、並びに、私の父母(角田一男・キヨエ)に感謝致します。そして、私の良き議論相手となり、常にプラス思考で支えてくれた妻・直美に、そして、いつも私を遊び友達にしようとねらっている娘・愛理に感謝します。なお、表紙カバーの版画は義弟・玉川研治が、中表紙の題字は父が担当してくれました。お蔭で私にとって記念すべき最初の著書ができました。

 最後になりましたが、本書の出版を快くお引き受けいただき、無理な注文にもきめ細やかに応じて下さったNSK出版の新藤智氏と山田未紀氏に御礼申し上げます。

  1998年8月22日

井門 正美