社会教育法


   平成15年7月16日改正

第2条〔社会教育の定義〕
この法律で「社会教育」とは,学校教育法(昭和22年法律第26号)に基き,学校の教育課程として行われる教育活動を除き,主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーシヨンの活動を含む。)をいう。

第3条〔国及び地方公共団体の任務〕
国及び地方公共団体は,この法律及び他の法令の定めるところにより,社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営,集会の開催,資料の作製,頒布その他の方法により,すべての国民があらゆる機会,あらゆる場所を利用して,自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。

第6条〔都道府県の教育委員会の事務〕
都道府県の教育委員会は,社会教育に関し,当該地方の必要に応じ,予算の範囲内において,前条各号の事務(第三号及び第五号の事務を除く。)を行う外,左の事務を行う。

 一
公民館及び図書館の設置及び管理に関し,必要な指導及び調査を行なうこと。
 二
社会教育を行う者の研修に必要な施設の設置及び運営,講習会の開催,資料の配布等に関すること。
 三
社会教育に関する施設の設置及び運営に必要な物資の提供及びそのあつせんに関すること。
 四
青年学級の奨励に関すること。
 五
市町村の教育委員会との連絡に関すること。
 六
その他法令によりその職務権限に属する事項。
第9条の2〔社会教育主事及び社会教育主事補の設置〕
都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に,社会教育主事を置く。
2 都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に,社会教育主事補を置くことができる。

第9条の3〔社会教育主事及び社会教育主事補の職務〕
社会教育主事は,社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える。但し,命令及び監督をしてはならない。
2 社会教育主事補は,社会教育主事の職務を助ける。

第9条の5〔社会教育主事の講習〕
社会教育主事の講習は,文部科学大臣の委嘱を受けた大学その他の教育機関が行う。
2 受講資格その他社会教育主事の講習に関し必要な事項は,文部科学省令で定める。

第9条の6〔社会教育主事及び社会教育主事補の研修〕
社会教育主事及び社会教育主事補の研修は,任命権者が行うもののほか,文部科学大臣及び都道府県の教育委員会が行う。

第10条〔社会教育関係団体の定義〕
この法律で「社会教育関係団体」とは,法人であると否とを問わず,公の支配に属しない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。

第11条〔文部科学大臣及び教育委員会との関係〕
文部科学大臣及び教育委員会は,社会教育関係団体の求めに応じ,これに対し,専門的技術的指導又は助言を与えることができる。
2 文部科学大臣及び教育委員会は,社会教育関係団体の求めに応じ,これに対し,社会教育に関する事業に必要な物資の確保につき援助を行う。

第15条〔社会教育委員の構成〕
都道府県及び市町村に社会教育委員を置くことができる。
2 社会教育委員は,左の各号に掲げる者のうちから,教育委員会が委嘱する。

 一
当該都道府県又は当該市町村の区域内に設置された各学校の長
 二
当該都道府県又は当該市町村の区域内に事務所を有する各社会教育関係団体において選挙その他の方法により推薦された当該団体の代表者
 三
学識経験者
3 前項に規定する委員の委嘱は,同項各号に掲げる者につき教育長が作成して提出する候補者名簿により行うものとする。
4 教育委員会は,前項の規定により提出された候補者名簿が不適当であると認めるときは,教育長に対し,その再提出を命ずることができる。

第17条〔社会教育委員の職務〕
社会教育委員は,社会教育に関し教育長を経て教育委員会に助言するため,左の職務を行う。

 一
社会教育に関する諸計画を立案すること。
 二
定時又は臨時に会議を開き,教育委員会の諮問に応じ,これに対して,意見を述べること。
 三
前二号の職務を行うために必要な研究調査を行うこと。
2 社会教育委員は,教育委員会の会議に出席して社会教育に関し意見を述べることができる。
3 市町村の社会教育委員は,当該市町村の教育委員会から委嘱を受けた青少年教育に関する特定の事項について,社会教育関係団体,社会教育指導者その他関係者に対し,助言と指導を与えることができる。

第20条〔目的〕
公民館は,市町村その他一定区域内の住民のために,実際生活に即する教育,学術及び文化に関する各種の事業を行い,もつて住民の教養の向上,健康の増進,情操の純化を図り,生活文化の振興,社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

第21条〔公民館の設置者〕
公民館は,市町村が設置する。
2 前項の場合を除く外,公民館は,公民館設置の目的をもつて民法第34条の規定により設立する法人(この章中以下「法人」という。)でなければ設置することができない。
3 公民館の事業の運営上必要があるときは,公民館に分館を設けることができる。

第22条〔公民館の事業〕
公民館は,第20条の目的達成のために,おおむね,左の事業を行う。但し,この法律及び他の法令によつて禁じられたものは,この限りでない。

 一
青年学級を実施すること。
 二
定期講座を開設すること。
 三
討論会,講習会,講演会,実習会,展示会等を開催すること。
 四
図書,記録,模型,資料等を備え,その利用を図ること。
 五
体育,レクリエーシヨン等に関する集会を開催すること。
 六
各種の団体,機関等の連絡を図ること。
 七
その施設を住民の集会その他の公共的利用に供すること。
第27条〔公民館の職員〕
公民館に館長を置き,主事その他必要な職員を置くことができる。
2 館長は,公民館の行う各種の事業の企画実施その他必要な事務を行い,所属職員を監督する。
3 主事は,館長の命を受け,公民館の事業の実施にあたる。

第35条〔公民館の補助〕
国は,公民館を設置する市町村に対し,予算の範囲内において,公民館の施設,設備に要する経費その他必要な経費の一部を補助することができる。
2 前項の補助金の交付に関し必要な事項は,政令で定める。

第44条〔学校施設の利用〕
学校の管理機関は,学校教育上支障がないと認める限り,その管理する学校の施設を社会教育のために利用に供するように努めなければならない。
2 前項において「学校の管理機関」とは、国立学校にあつては設置者である国立大学法人(国立大学法人法 (平成十五年法律第百十二号)第二条第一項 に規定する国立大学法人をいう。)の学長又は独立行政法人国立高等専門学校機構の理事長、公立学校のうち、大学にあつては設置者である地方公共団体の長又は公立大学法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項 に規定する公立大学法人をいう。第四十八条第一項において同じ。)の理事長、大学以外の学校にあつては設置者である地方公共団体に設置されている教育委員会をいう。

第45条〔学校施設利用の許可〕
社会教育のために学校の施設を利用しようとする者は,当該学校の管理機関の許可を受けなければならない。
2 前項の規定により,学校の管理機関が学校施設の利用を許可しようとするときは,あらかじめ,学校の長の意見を聞かなければならない。

第47条の2〔青年学級〕
学校(大学及び高等専門学校を除く。以下本条において同じ。)の管理機関は,その管理に属する学校に対し,その教員組織及び学校の施設の状況に応じ,学校施設の利用による青年学級の実施を求めることができる。

第48条〔社会教育の講座〕
文部科学大臣は国立学校に対し,公立学校の管理機関は,それぞれの管理に属する学校に対し,その教育組織及び学校の施設の状況に応じ,文化講座,専門講座,夏期講座,社会学級講座等学校施設の利用による社会教育のための講座の開設を求めることができる。
2 文化講座は,成人の一般的教養に関し,専門講座は,成人の専門的学術知識に関し,夏期講座は,夏期休暇中,成人の一般的教養又は専門的学術知識に関し,それぞれ大学,高等専門学校又は高等学校において開設する。
3 社会学級講座は,成人の一般的教養に関し,小学校又は中学校において開設する。
4 第1項に規定する講座を担当する講師の報酬その他必要な経費は,予算の範囲内において,国又は地方公共団体が負担する。


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