地方公務員法

   改正:平成15年7月16日

第16条〔欠格条項〕
左の各号の一に該当する者は,条例で定める場合を除く外,職員となり,又は競争試験若しくは選考を受けることができない。

 一
禁治産者及び準禁治産者
 二
禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終るまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
 三
当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け,当該処分の日から2年を経過しない者
 四
人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて,第5章に規定する罪を犯し刑に処せられた者
 五
日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し,又はこれに加入した者
第18条〔競争試験及び選考〕
競争試験又は選考は,人事委員会が行うものとする。但し,人事委員会は,他の地方公共団体の機関との協定によりこれと共同して,又は国若しくは他の地方公共団体の機関との協定によりこれらの機関に委託して,競争試験又は選考を行うことができる。
2 人事委員会は,その定める職員の職について第21条第1項に規定する任用候補者名簿がなく,且つ,人事行政の運営上必要であると認める場合においては,その職の競争試験又は選考に相当する国又は他の地方公共団体の競争試験又は選考に合格した者を,その職の選考に合格した者とみなすことができる。

第20条〔競争試験の目的及び方法〕
競争試験は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。競争試験は,筆記試験により,若しくは口頭試問及び身体検査並びに人物性行,教育程度,経歴,適性,知能,技能,一般的知識,専門的知識及び適応性の判定の方法により,又はこれらの方法をあわせ用いることにより行うものとする。

第22条〔条件附採用及び臨時的任用〕
臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き,職員の採用は,すべて条件附のものとし,その職員がその職において6月を勤務し,その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において,人事委員会は,条件附採用の期間を1年に至るまで延長することができる。
2 人事委員会を置く地方公共団体においては,任命権者は,人事委員会規則で定めるところにより,緊急の場合,臨時の職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合においては,人事委員会の承認を得て,6月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において,その任用は,人事委員会の承認を得て,6月をこえない期間で更新することができるが,再度更新することはできない。
3 前項の場合において,人事委員会は,臨時的任用につき,任用される者の資格要件を定めることができる。
4 人事委員会は,前2項の規定に違反する臨時的任用を取り消すことができる。
5 人事委員会を置かない地方公共団体においては,任命権者は,緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては,6月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において,任命権者は,その任用を6月をこえない期間で更新することができるが,再度更新することはできない。
6 臨時的任用は,正式任用に際して,いかなる優先権をも与えるものではない。
7 前5項に定めるものの外,臨時的に任用された者に対しては,この法律を適用する。

第27条〔分限及び懲戒の基準〕
すべて職員の分限及び懲戒については,公正でなければならない。
2 職員は,この法律で定める事由による場合でなければ,その意に反して,降任され,若しくは免職されず,この法律又は条例で定める事由による場合でなければ,その意に反して,休職されず,又,条例で定める事由による場合でなければ,その意に反して降給されることがない。
3 職員は,この法律で定める事由による場合でなければ,懲戒処分を受けることがない。

第28条〔降任,免職,休職等〕
職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反して,これを降任し,又は免職することができる。

 一
勤務実績が良くない場合
 二
心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合
 三
前二号に規定する場合の外,その職に必要な適格性を欠く場合
 四
職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
2 職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反してこれを休職することができる。
 一
心身の故障のため,長期の休養を要する場合
 二
刑事事件に関し起訴された場合
3 職員の意に反する降任,免職,休職及び降給の手続及び効果は,法律に特別の定がある場合を除く外,条例で定めなければならない。
4 職員は,第16条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは,条例に特別の定がある場合を除く外,その職を失う。

第29条〔懲戒〕
職員が左の各号の一に該当する場合においては,これに対し懲戒処分として戒告,減給,停職又は免職の処分をすることができる。

 一
この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例,地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
 二
職務上の義務に違反し,又は職務を怠つた場合
 三
全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

第30条〔服務の根本基準〕
すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当つては,全力を挙げてこれに専念しなければならない。

第31条〔服務の宣誓〕
職員は,条例の定めるところにより,服務の宣誓をしなければならない。

第32条〔法令等及び上司の職務上の命令に従う義務〕
職員は,その職務を遂行するに当つて,法令,条例,地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い,且つ,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

第33条〔信用失墜行為の禁止〕
職員は,その職の信用を傷つけ,又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

第34条〔秘密を守る義務〕
職員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,また,同様とする。
2 法令による証人,鑑定人等となり,職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては,任命権者(退職者については,その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は,法律に特別の定がある場合を除く外,拒むことができない。

第35条〔職務に専念する義務〕
職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

第36条〔政治的行為の制限〕
職員は,政党その他の政治的団体の結成に関与し,若しくはこれらの団体の役員となつてはならず,又はこれらの団体の構成員となるように,若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
2 職員は,特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し,又はこれに反対する目的をもつて,あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し,又はこれに反対する目的をもつて,左に掲げる政治的行為をしてはならない。但し,当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第252条の19第1項の指定都市の区に勤務する者であるときは,当該支庁若しくは地方事務所又は区の所管区域)外において,第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。

 一
公の選挙又は投票において投票をするように,又はしないように勧誘運動をすること。
 二
署名運動を企画し,又は主宰する等これに積極的に関与すること。
 三
寄附金その他の金品の募集に関与すること。
 四
文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。
 五
前各号に定めるものを除く外,条例で定める政治的行為
3 何人も前2項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め,職員をそそのかし,若しくはあおつてはならず,又は職員が前2項に規定する政治的行為をなし,若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として,任用,職務,給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え,与えようと企て,若しくは約束してはならない。
4 職員は,前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。
5 本条の規定は,職員の政治的中立性を保障することにより,地方公共団体の行政の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され,及び運用されなければならない。

第37条〔争議行為等の禁止〕
職員は,地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業,怠業その他の争議行為をし,又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又,何人も,このような違法な行為を企て,又はその遂行を共謀し,そそのかし,若しくはあおつてはならない。
2 職員で前項の規定に違反する行為をしたものは,その行為の開始とともに,地方公共団体に対し,法令又は条例,地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

第38条〔営利企業等の従事制限〕
職員は,任命権者の許可を受けなければ,営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては,地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね,若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み,又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2 人事委員会は,人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。


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